3月 30, 2007

アルマイト皮膜その特性

アルマイト処理を施すと、処理を行わないものとは何が違うの
か? 以下、その特性の違いについてまとめました。

【外観特性】

着色をしない限りは無色透明な皮膜です。アルマイトの色と思
われがちなシルバー色は下地のアルミニウムの色です。

【機械特性】

硬度はアルミニウムHv20~150(合金成分によって異なる)に対し
アルマイト処理を施した場合、Hv200~600ほどまで向上します。
(電解条件により異なる)また、耐摩耗性も向上しますので摺動
特性の向上も期待できます。

【化学的特性】

処理を施していないアルミニウムは化学的に活性であり、水分
や酸素、化学物質と反応しやすいため表面が変色や腐食しやす
いのに対し、アルマイトは安定な酸化膜が形成されることによ
りこれらを防止し美しい外観を長く保つことが可能になります。

【絶縁性】

アルミニウムは電気を流しますが、アルマイト皮膜は絶縁性を
持つため電気を流しません。そのためアルマイトされているか
どうかを外観で判別できない場合はテスターを当ててみること
によって判断することが可能です。

【熱伝導率】

熱伝導率はアルミニウムの約3分の1です。また遠赤外線の放射
性が高いという特性も持ちます。

【熱膨張係数】

アルミニウムの約5分の1程であるため、加熱により母材が膨張
するとクラックが発生する恐れがあるので注意が必要です。

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3月 16, 2007

陽極酸化塗装複合皮膜

 陽極酸化皮膜(アルマイト皮膜)上に※電着などの塗装を施し

たものを合わせてこう呼びます。

もとは別々の表面処理ですが、一体化することにより優れた性

能を発揮するため一つの表面処理して作業規定なども設けられ

るようになりました。

 この皮膜は特に防食性の面で大変優れ、日本の多湿な海洋性

の気候と、人口や建物の密集による大気の汚染にも長期間耐え

うるため、アルミサッシを始め、様々なアルミニウム建材へと利用

されるようになり、我が国での使用環境に最も適した表面処理と

言われるまでになりました。

※電着塗装…塗料を溶解させた溶液中で被塗物をマイナス側の
 電極としてプラス極との間に電流を流すことによって被塗物
 に塗膜を形成させる手法。

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3月 09, 2007

リン酸法

【リン酸皮膜】

リン酸はアルミニウムの酸化皮膜を溶解させる性質があり、

アルマイトの脱膜などに用いられている薬品です。

とても溶解する力が強いこのリン酸をもちいてアルマイト処理

を行いますと、皮膜の孔の径は硫酸やしゅう酸など他の薬品で

生成されるアルマイト皮膜のものよりも大きいという特徴を持

ちます。

また、リン酸がアルマイトの※水和反応を妨げるため封孔が不

十分となり、結果強度や耐食性は低くなります。

ですが反面、その孔の大きさのため塗料や接着剤との相性が良

く、下地処理として用いられます。


※水溶液中の溶質が溶媒との相互作用により結合する反応。
 通常の封孔処理はAl2O3が水和して体積が膨張することによ
 って孔を塞ぐ。

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3月 02, 2007

硬質陽極酸化処理

【陽極酸化皮膜との違い】

日本でアルマイト処理が行われるようになった初期の頃は陽極酸化

処理の一つとして明確な線引きなどは特にありませんでしたが、

近年になって処理方法も確立され基準が設けられるようになりまし

た。

普通皮膜と比較して厚くて硬いという性質があり、その処理法の

違いとしては、普通皮膜の場合よりも

・電流密度を高くして皮膜生成速度を早くする。
・電解液温度を低くし、アルミ以外の合金成分の溶解を抑える。

などの特徴があります。特に二つ目の項目にあるようにアルミ合金

の成分の比率が硬質皮膜の質に大きく影響します。

端的にいえば純アルミに近い1000系の材質は良好な皮膜が生成さ

れますが、2000系や7000系などは合金成分が電解液に溶解しやす

く脆くなりやすいといった感じです。

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2月 23, 2007

染色

【染色のメカニズム】

アルマイト加工されたアルミニウムは通常もともとの色であるシ

ルバー色をしていますが、装飾性を高めるために着色処理を施さ

れることがあります。

その着色の方法として最も一般的であり、弊社でも採用している

方法は水溶性の染料を用いた着色法です。

アルマイト皮膜が生成されると、その表面には微細な孔が無数に

発生します。通常ならこのままにしておけば指紋や汚れが付いた

ら落ちなくなってしまう厄介なものなのですが、水溶性染料による

着色とは、この表面に空いた孔を利用し着色してしまおうという

方法です。

アルマイト後の製品を染料を溶解させた溶液中に浸漬させると、

染料がキレイに孔の中に吸着し皮膜に色が着きます。

ですがこのままでは水に濡れてしまった場合などに色が落ちてし

まうことも考えられます。

そこで着色した後には封孔処理を実施することにより、染料を

皮膜内に閉じ込め、脱色してしまうのを保護するのです。

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2月 16, 2007

アルマイト

【アルマイトとは?】

アルミニウムの表面処理といえばアルマイト(別名:陽極酸化皮膜)

というぐらい今日ではすっかり定番になった処理です。

電解浴中において、プラス極として通電することにより表面のアル

ミニウム自体を酸化させ、その酸化物を皮膜とします。

素材自体を変化させる為、密着性に優れ耐食性も良いことから幅広

く用いられるようになった表面処理です。

意外なことにこのアルマイトという呼び名は、響きは外来語のよう

ですが実は日本人の研究者によって名付けられた日本固有の名称

なのです。

また、一般に陽極酸化皮膜はアルミニウムのみに析出するという様

に思われがちですが、厳密にはアルミ以外のバルブ金属(Ti,Ta,Nb,

Si)にも皮膜を形成させることは可能です。ですがアルミの場合は

他の素材に比べ特に形成される皮膜が厚く、防食性に富むことから

陽極酸化処理の中でも実用的なものとして広く用いられるように

なったのです。

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2月 03, 2006

混酸皮膜

【混酸 mixed acid】

各種アルマイト法で、書き忘れていたのがコレ。

アルマイトにおける混酸皮膜とは、
2種類以上の酸を混合した電解液で
処理をした際に生まれる皮膜のことです。

主な目的としましてはですね、

・処理温度の範囲を拡大させる
・処理液の電導性をあげる
・硬質の皮膜になる
・耐食性、耐摩耗性をあげる

などなどですが、良い面があれば
注意点もあるわけでございますよ。

・各成分をどうやって分析するのか
・各成分の濃度の管理
・古くなってへばった処理液の再生方法

などなど。

JISでは
  「記載なし」

…というのも、配合するという性格上、
 各処理業者様により独自のノウハウがあるため、
 ガイドライン的なものが少ないことに由来するみたいです。

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1月 12, 2006

電解着色皮膜

【電解着色皮膜 
 electrolytically coloured anodic oxide coating】

 電解着色技術は主に硫酸皮膜の微孔中に金属を析出沈着させて
 皮膜を着色する方法です。
 一般的には、2次電解着色皮膜とも言われます。
 
 金属として、ニッケル・錫・銅などが使用されます。
 使用される金属によって色調が変化いたします。

JISでは、
 「多孔性皮膜を生成後、金属塩を溶解した浴中で
 電解を行って、金属又は金属化合物の皮膜を微細
 孔内に析出させ着色した皮膜。」

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自然発色皮膜

【自然発色皮膜 self-colour anodic oxide coating】

 アルマイト処理は、電解液(アルマイト処理液)や
 アルミニウム合金の種類(主成分)によって皮膜
 自体が自然に発色します。
 これを「自然発色皮膜」といいます。

 発色の濃さは、アルマイトの厚み、熱間圧延温度、
 焼きなまし温度などにより変化いたします。

 日光による変色や退色が非常に少ないため建材
 など屋外で長期に使用される用途に適しています。

JISでは、
  「陽極酸化処理だけで発色させた皮膜。素材の
  組成、材質によって発色させる合金発色皮膜
  及び電解浴。電解条件によって発色させる
  電解発色皮膜がある。」

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12月 22, 2005

クロム酸法

【クロム酸皮膜  chromic acid oxidation coating】

クロム酸法は、1923年BengoghとStuartにより実用化されました。
当初は電圧を段階を追って上げていく方法をとられましたが
その後、電圧が変動せず生産性の良好な定電圧法が開発され、
今では定電圧法が普及しております。

クロム酸を電解液として陽極参加させるこの方法は

・皮膜が放射状(扇形)に広がり成長するので柔軟性があり、
曲げ加工や熱に強い→航空機部品などに使用される

・めっき後の外観が乳白色のため、着色すると
パステルカラーの美しい外観を得られるとされるが、
多孔性はあまりない

・めっき浴温が40℃前後と、他の方法より高温で処理し、
 生成皮膜が薄膜なのが特徴

クロム酸皮膜は膜厚が薄い(一般的には2~5μ)わりには、
硫酸法で処理したものに近い耐食性を示します。

ただ、日本国内では硫酸法やしゅう酸法にくらべると
使用される分野は狭まったもので少ないです。


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12月 21, 2005

しゅう酸法

【しゅう酸法 -oxalic acid process -】

しゅう酸法は1923年(大正12年)に、
日本の理化学研究所において発明された国産の技術です。

当初、広く普及し用いられた処理方法でしたが
戦後、硫酸アルマイトにとって代わられました。

しゅう酸法は、黄色く透明な皮膜で
対光性に優れ、建材などに使用されます。
硬度も高く、耐摩耗性や耐食性が
良好なのですが

・発熱が著しく、冷凍機を構える必要がある。
・高電圧を要するので電力費用もかかる。
・しゅう酸の値段も高価。

などの経済的背景から、現在では一般的ではありませんが
一部の家庭用品や機械部品では
‘高品質アルマイト’という位置づけで使用されています。

また、なべややかんに黄色くアルマイトされたものを見かけますが
あれは、硫酸アルマイト後に黄色く着色を行い、
しゅう酸皮膜の耐食性、耐久性の高いイメージを
残そうとしているもののようです。


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12月 13, 2005

硫酸法

【-硫酸法-  Sulfuric acid process】

硫酸法は、複数あるアルマイト処理方法の中でも
現在最も普及して広く行なわれており、
アルミの陽極酸化皮膜の代表的な存在です。

概要はといいますと、希硫酸を電解液として
製品を陽極酸化いたします。

処理液の温度が他のアルマイト法より
低いのが特徴で10℃前後です。

利点としては

・硫酸が安価であり、入手および廃液処理が容易
・無色透明な皮膜で素材の金属質感を得られる
(無色の為着色にも向く)
・皮膜の活性が良いので染料をよく吸着し、着色に適する

などなど。

一般的には

・処理液の温度を下げて
・液中の硫酸濃度を下げて
・電流密度を高くする

これにより硬質皮膜が得られるとされています。
すなわち硬質アルマイトです。

硫酸の濃度は、完成品の耐食性、硬度、耐摩耗性に
深く影響しますので、きちんとした浴管理が重要です。

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